雷⚡️のあとに息が苦しい?もしかして「雷雨喘息」かも!しくみと対策をわかりやすく解説
梅雨入りが近づき、仙川の街にも少しずつ湿気を感じる季節になってきました。
この時期は、気温や気圧の変化、湿度の影響で「なんとなく息がしづらい」「咳が長引く」といった症状が出やすくなります。
特に喘息やアレルギーをお持ちの方にとっては、雷雨や花粉が引き金になる「雷雨喘息」に注意が必要です。
🌩 雷雨喘息のメカニズム
1. 花粉の破裂と微粒子化
雷雨時、特に湿度が高くなると、空気中の花粉が水分を吸収し、膨張します。その結果、花粉が破裂し、直径2.5μm以下の微細な粒子(サブポーレン粒子)に分解されます。これらの微粒子は、通常の花粉よりも小さく、鼻腔を通過して気道の奥深くまで到達しやすくなります。
2. 気道への侵入とアレルギー反応
微粒子化した花粉は、気道の奥深くに入り込み、免疫系を刺激します。これにより、気道の炎症や収縮が引き起こされ、喘息発作が誘発されます。特に、花粉に対する感作がある人々は、この影響を強く受けやすいとされています。
3. 気象条件の影響
雷雨時の突風や気圧の急激な変化も、花粉の拡散や気道への影響を増幅させます。これらの気象条件が重なることで、雷雨喘息のリスクが高まります。
🌍 実際の事例と研究
メルボルンの事例(2016年)
2016年11月、オーストラリアのメルボルンで大規模な雷雨喘息の事例が発生しました。この事件では、約8,500人が病院を受診し、少なくとも10人が死亡しました。多くの患者は、以前に喘息の診断を受けていなかったものの、花粉症の既往がありました。
⚡️予防と対策🌩️
- ・天気予報の確認: 雷雨や高湿度の予報がある日は、外出を控えるか、必要最小限に留めましょう。
- ・マスクの着用: 花粉の季節には、微粒子の吸入を防ぐためにマスクを着用することが推奨されます。
- ・室内環境の整備: 空気清浄機を使用し、室内の空気を清潔に保ちましょう。
- ・医師への相談: 花粉症や喘息の症状がある場合は、事前に医師と相談し、適切な治療計画を立てておくことが重要です。
喘息の診断と検査
気管支喘息は咳や呼吸困難を主症状とした病気のため、他の疾患の合併など様々な要素が組み合わさっている場合もあります。そのため決まった診断アルゴリズムがあるわけでは有りません(喘息予防・管理ガイドライン2021)が当院ではこのような形で診断することが多いです。
- まずは問診を行い次に聴診をします
- 喘息を疑う場合には各種検査を組み合わせて行います。
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー)
- 呼気NO検査
- 気道抵抗性試験(モストグラフ)
- アレルギー検査(採血)
必要に応じてレントゲンや胸部CT、副鼻腔CTなどの画像検査を行う場合があります。
血液検査などの診断の補助になる検査は数日要する場合もありますが、基本的には当日に結果が出ますのでその結果を元に呼吸器専門医・喘息専門医が判断いたします。
専門医による安心の診療体制
調布仙川駅前きむら呼吸器内科クリニック
呼吸器内科専門医・アレルギー専門医・喘息専門医が在籍しており
咳や息切れ、喘息、アレルギー症状などに対して、専門的かつ適切な診断・治療を行っています。
梅雨の時期に増える「雷雨喘息」などの呼吸器トラブルにも対応可能です。
調布市・仙川エリアで呼吸や咳のお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
🩺ご予約・お問い合わせはこちら🫁
- 調布市仙川駅前きむら呼吸器内科クリニック
- ( 内科・呼吸器内科・アレルギー)
- 電話番号:03-3326-1159
-
〒182-0002
東京都調布市仙川町 1-18-3 1階仙川駅徒歩1分
🌩️⚡️----------参考文献----------⚡️🌩️
D’Amato, G. et al. (2016). Thunderstorm-related asthma: What happens and why.
- 雑誌名: Clinical and Experimental Allergy
環境省
微小粒子状物質等大気汚染物質に係る疫学調査について
https://www.env.go.jp/air/osen/pm/ekigaku.html
日本アレルギー学会
https://www.jsaweb.jp/modules/citizen_qa/index.php?content_id=3