国際看護師の日とラテックスアレルギーについて
Î風薫る季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか🌿
毎年5月12日は「国際看護師の日」です。
この日は、世界中の看護師たちの献身的な働きに敬意を表し、その功績をたたえる大切な記念日です。
なぜ5月12日なのかというと、それは近代看護の母とも言われるフローレンス・ナイチンゲールの誕生日に由来しています。彼女は、クリミア戦争中の兵士たちのために尽力し、衛生的な看護の重要性を訴え、看護という仕事の専門性を確立した人物です。
日本における看護師の総数(就業者数)は、最新の厚生労働省のデータによると
- 看護師:約1,049,800人
- 准看護師:約203,500人
これらを合わせると、約1,253,300人の看護職員が就業しています。この数値は、2022年末時点の「令和4年衛生行政報告例」に基づいています。
医療の現場では、患者さんの命を守るためにさまざまな器具や衛生用品が使われています。その中で毎日必ずと言っていいほど使うのが「手袋」です。
実はこの手袋の素材である
ラテックス(天然ゴム)が人によっては深刻なアレルギー反応を引き起こすことがあります。これをラテックスアレルギーといいます。
ラテックスアレルギーは医療現場だけの話ではありません。
実は、ゴム手袋・ゴムバンド・接着剤・風船・靴のソールなど、、、
私たちの身の回りにはラテックスを含む製品がたくさんあります。
そのため、日常の中で繰り返し触れることでアレルギー反応が起こる可能性があります。
■ 軽い症状(皮膚トラブル)
- 手袋が触れた部分に赤みやかゆみ
- 指先や手のひらがガサガサに乾燥
- 湿疹やかぶれが出ることも
手荒れと思っていたら、実はラテックスが原因だった…というケースも多くあります。
■ 中程度の症状(呼吸器・全身症状)
- 鼻水・くしゃみ・目のかゆみ
- のどの違和感や息苦しさ
- じんましんが広がることも
手袋を使ってすぐに症状が出る場合は、すぐに使用を中止することが大切です。
■ 重い症状(アナフィラキシー)
- 呼吸困難・胸の圧迫感
- 血圧低下、意識がもうろうとする
- 救急対応が必要なショック症状
ごく微量のラテックスでも重い反応を起こす人もおり、油断は禁物です。
■ フルーツにも注意?🥑🥝🍌
実は、バナナ・アボカド・キウイなどの果物アレルギーを持っている方は、
ラテックスと似たタンパク質に反応してしまう「ラテックス‐フルーツ症候群」があることも。
ラテックスアレルギーは、誰にでも起こりうる身近なアレルギーです。
「もしかして…?」と不安を感じたときには、早めの相談が安心につながります。
当院にはアレルギーを専門とする医師が在籍しております。
気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
-参考文献-
厚生労働省 令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/22/?utm_source=chatgpt.com
日本看護協会
https://www.nurse.or.jp/aim/simin/
日本アレルギー学会
https://www.jsaweb.jp/modules/citizen_qa/index.php?content_id=13