アトピー咳嗽(がいそう)

アトピー咳嗽とは

アトピー咳嗽我が国の頻度の高い遷延性・慢性咳嗽の原因疾患の一つです。
人間の気管支にある感覚神経で誤嚥を予防したり刺激物を吸い込まないようにするセンサー(カプサイシン咳受容体)が何らかの原因によって敏感になってしまい咳が出てしまう状態です。

アトピー咳嗽を疑う
ポイント

  • 就寝時・深夜から早朝、起床時に症状が出る。
  • 風邪を引いてから咳症状がとまらない
  • 気温や湿度や気圧の変化で咳が出る
  • 会話や電話で咳が出る
  • 仕事や育児などのストレスで咳がでる
  • 受動喫煙で咳がでる
  • 運動などで咳がでる

中年の女性の方で、喘息以外のアレルギー持っていたり、血液中のアレルギーの数値が高いなどのアトピー素因をお持ちの方、なんとなくのどが「むず痒い」・「イガイガする」症状がある方はご相談ください。

アトピー咳嗽の診断

症状からは気管支喘息や咳喘息にており、補助診断の検査結果を用いても判断が難しいケースは多くあります。
「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン 2019」(日本呼吸器学)の診断基準を下に記載しますが、記載されているとおり薬を使ってみての症状を確認してから診断に至るケースが多くあります。
そのため、近所のクリニックの薬では効かなかったけれど呼吸器内科の薬では効いたというパターンはよく聞くはなしです。

  •  吸入薬をもらっているのに咳が止まらない
  • レントゲンは問題なく原因がよくわからない

こんな症状でお悩みの方は一度呼吸器内科にご相談ください。

診断
(診断基準1〜4のすべてを満たす)
1.喘鳴や呼吸困難を伴わない乾いた咳が3週間以上続く
2.気管支拡張薬が無効
3.アレルギー素因を疑う所見がある
4.ヒスタミンH1受容体拮抗薬およびステロイド薬にて咳嗽発作が消失

アトピー咳嗽の治療

アトピー咳嗽の治療気管支拡張薬が無効であることを確認して咳喘息を否定したうえで、ヒスタミンH1 受容体拮抗薬を 1~2 週投与して様子を見ます。
咳嗽が改善すれば、アトピー咳嗽と治療的診断になります。
すこしは改善したが、効果が不十分な場合は、ステロイド薬(吸入,必要に応じて経口)の併用を検討すると共に他の疾患の合併がないか再検討します。

喘息とは違う病態

前述通り、カプサイシン咳受容体感受性亢進による咳嗽なので気管支喘息や咳喘息と違った病態のため、喘息への移行は通常なく気管支拡張薬が効きにくいのが特徴です。
しかし、咳嗽の難治化に関わるメカニズムに関してはよくわかっていないことも多いです。
また、前述通りアトピー咳嗽からの気管支喘息へ移行はないものの、重症喘息や一部の喘息患者ではカプサイシン咳受容体感受性亢進が認められていることがわかっており、病態のオーバーラップがあるようです。

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