予防接種

予防接種とは

予防接種とは
予防接種とは、感染症の原因になる細菌やウイルスなどから作られたワクチンを接種することです。ワクチンは、細菌・ウイルスの病原性を弱くしたり毒性をなくしたりすることで作られます。
予防接種を行うと身体に抗体ができます。抗体は、体内に入ってきた病原体とくっついて外に出す役割を担っているたんぱく分子です。予防接種後には抗体ができるので、感染症の発症と重症化の予防が期待できます。

当院の予防接種

インフルエンザ
通常(小児含む) 3,500円(税込)
肺炎球菌
ニューモバックス 8,000円(税込)
プレベナー 10,000円(税込)
帯状疱疹予防ワクチン
水痘ワクチン 1回9,000円(税込)
シングリックス 1回24,200円(税込)

( 既に1度目のシングリックスを接種している方は、6ヵ月以内であれば2度目のみ公費助成の対象)

予防接種の注意

予防接種を受けられない方、注意が必要な方

  • 体温が37.5℃以上ある
  • 重篤な急性疾患が見られる
  • 心臓や腎臓、肝臓、血液などの疾患を抱えており、現在治療中の方
  • ワクチンに含まれている成分(鶏卵や安定剤など)に対するアレルギーを持っている
  • 過去、予防接種を受けてから2日以内に、発熱や発疹、蕁麻疹などのアレルギー症状が現れたことがある
  • 過去に痙攣を起こしたことがある
  • 免疫不全の既往歴がある方、ご家族の中に先天性免疫不全にかかった方がいるなど

※上記の内容に当てはまっている方、「予防接種を受けてもいいのか分からない」とお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

予防接種後の注意点

  • 接種後からの10分間は、医師へすぐ連絡できる状態にしてください。
  • 接種箇所に異常があったり体調が悪くなったりした場合は迷わずに受診してください。
  • 接種から24時間以内の間は、激しい運動やお酒を控えてください。
  • 接種箇所は清潔にしましょう。
  • 接種箇所の赤みや腫れ、熱、痛みは、通常の場合数日で落ち着きます。長く続く場合は相談してください。

ワクチンについて

インフルエンザ
ワクチン

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで発症する疾患です。
高熱(38℃以上)や頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などだけでなく、喉の痛みや鼻水、咳など、風邪と似た症状を起こします。子どもや高齢者は重くなりやすく、特に子どもは中耳炎を合併したり、痙攣や急性脳炎を起こしたりする危険性があります。高齢者や免疫力が弱い方、呼吸器疾患がある方は重症インフルエンザ肺炎を合併するリスクがあるので注意が必要です。

毎年の接種が必要

インフルエンザウイルスは少しずつ性質を変えるので、毎年異なるタイプが流行します。インフルエンザの流行は中国をはじめとするアジアから起きる事が多く、その傾向を特定し今年流行すると考えられるインフルエンザウィルスのタイプを予想してワクチンが作られます。そのため毎年異なるワクチンが作られるため、毎年の予防接種が不可欠です。

インフルエンザワクチンの
接種時期

インフルエンザを予防するには、流行前にワクチンを打つことが大切です。ワクチンの効果は接種後から2週間後に現れ、そこから3-5ヶ月くらい持続します。これまで日本では12月~3月にかけてインフルエンザが流行していたので、毎年10月の終わり~12月の間にワクチンを打てば、インフルエンザの流行に備えることができました。しかし、最近はコロナウィルスの流行も有り、インフルエンザの流行が夏に起きることもみられるようになりました。これまで10月に打っていたワクチンも今後は複数回打つ必要がでてくる可能性があります。

肺炎球菌ワクチン

肺炎とは

肺炎とは、細菌やウイルスなどの病原微生物が肺に入って炎症を引き起こす疾患です。健康な状態ですと呼吸器の防御機能によって病原微生物が追い出されるので、感染を起こしません。
しかし、加齢やウィルス感染による免疫低下や膠原病などで免疫抑制剤を使用しているかたなど防御機能が低下している場合は、病原微生物が上気道(鼻~喉)から下気道(声帯~肺側)、肺に侵入し、感染を起こします。
特にたばこ病(COPD)などの肺の構造が変わってしまうような呼吸器疾患を持っている方は肺の免疫がうまく作用しない部分あるため感染しやすくなったり、感染した場合に重症化するケースが多く認められます。

肺炎球菌ワクチンで予防

肺炎の原因の一番多いのは肺炎球菌です。成人の肺炎の約20~40%は肺炎球菌によって発症します。
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎や髄膜炎などの感染症や重症化を予防するために行われています。
肺炎球菌ワクチンの一つであるニューモバックス(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23))は、肺炎球菌の100種類の血清型のうち、良く感染症の原因となる23種類を含み予防の効果を発揮します。
65歳の方は市や区からの補助がでる地域があるため最寄りの役所へご確認をお願いいたします。

接種をおすすめしたい方

日本呼吸器学会の「成人市中肺炎診療ガイドライン」(2007年)と「医療・介護関連肺炎診療ガイドライン」(2011年)によりますと、下記に当てはまる方は成人用肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。

65歳以上
  • 養護老人ホームまたは長期療養施設などに住まわれている方
  • 慢性の持病を抱えている
    特に、糖尿病や慢性心不全、呼吸器疾患(COPDなど)、慢性肝疾患(肝炎や肝硬変など)など
  • 疾患や免疫抑制療法によって、感染症になりやすい状態にいる
  • 脾臓の摘出などで、脾臓機能不全を起こしている方
高齢者を対象にした定期接種に
なっています

2014年10月以降、高齢者向けの成人用肺炎球菌ワクチンは「予防接種法」によって「定期接種」として実施されるように定められました。定期接種は、市町村によって行われる予防接種で、接種対象者は生年月日によって毎年変わります。対象期間内に市町村の契約医療機関または保健所で接種すると、公費負担となります。詳細はお住まいの自治体へお問い合わせください。

接種間隔は5年以上

インフルエンザワクチンとは違い、肺炎球菌ワクチンは5年以上の期間を空けて接種する必要があります。65歳以上はワクチン接種の適応になっているため計算しやすいように5の倍数の年に定期的に摂取することをオススメいたします。

ブースター効果を利用しよう

高齢者や上記のハイリスク者に対する13価または15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13、プレベナー13®またはPCV15、バクニュバンス®)と23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23、ニューモバックス®)との連続接種について、日本呼吸器学会/日本感染症学会/日本ワクチン学会・合同委員会の「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第4版 2023-3-24)を公表しています。
この場では簡単に説明しますと、PCV13/PCV15接種とPPSV23接種を1−4年以内に接種するとより強い免疫効果(両ワクチンに共通する血清型特異抗体のブースター効果)を得ることができます。
詳しくは医師にご相談ください。

インフルエンザワクチンとの
併用接種

インフルエンザワクチンの接種も一緒に受けていただきますと、肺炎の予防効果がより高まります。

呼吸器疾患と予防接種

喘息

気管支喘息気管支喘息は、呼吸器の感染によって悪化する傾向があります。ワクチンで感染を防ぐことで、喘息の重症化も予防しやすくなります。当院へ通院されている気管支喘息の患者様には、インフルエンザワクチンを毎年接種することを勧めています。また、65歳以上の喘息の患者様には、肺炎球菌23価ワクチンの接種も一緒に勧めています。特に、ステロイドを飲んでいる重度喘息の方には、たとえ65歳未満だったとしても肺炎球菌23価ワクチンを打つよう推奨しています。

喘息

慢性閉塞性肺疾患
(COPD)

COPDの患者様の呼吸器に感染が起こると、よりCOPDが悪化したり死亡リスクが高くなったりします。ワクチンで感染を防ぐと、COPDの重症化や死亡リスクが下がりやすくなります。
当院のCOPDの患者様には、インフルエンザワクチンを毎年打つことと、肺炎球菌23価ワクチンを5年に1回打つことを勧めています。特に65歳以上の方には、より予防効果が見込める肺炎球菌13価と23価ワクチンの連続接種も勧めています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

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