夏風邪?コロナ?症状の違いと受診の目安😷
こんにちは。
調布仙川駅前きむら呼吸器内科クリニックです。
夏休みや帰省、レジャーでにぎわうこの季節。しかし、冷房による体の冷えや水遊びなどから体調を崩しやすく、夏風邪の流行とともに、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染再拡大も気になるところです。
厚生労働省の最新統計によると、2025年夏、日本全国の医療機関からの定点報告数(1医療機関あたり)は増加傾向にあり、ピーク時を迎えている都道府県も出てきています。
当院の発熱外来を受診される患者さんの中でも、コロナ陽性の方が増えてきているように感じます。
コロナの症状
新型コロナウイルス(オミクロン株の派生型:KP系・JN系)は、感染力が非常に高いのが特徴です。
- 発熱:37〜39℃前後。高熱になる場合も あり、1〜3日で下がることもあれば長引くこともあります。
- 呼吸器症状:乾いた咳や強い喉の痛み。鼻水・鼻づまりが出ることもあります。
- 全身症状:強い倦怠感、頭痛、筋肉痛や関節痛、寒気(悪寒)。
- 消化器症状:下痢、腹痛、吐き気や嘔吐。特に子どもや高齢者で見られることがあります。
- 神経症状:味覚・嗅覚障害は減っていますが、今も一部で発症します。
潜伏期間は1〜5日(平均3日)。多くは軽症〜中等症ですが、高齢者や基礎疾患のある方は肺炎や呼吸不全へ進行する場合があります。
夏風邪との違い
夏風邪はエンテロウイルスやアデノウイルスなどが原因で、手足口病やヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)も含まれます。
- 発熱は38℃前後が多く、軽めの発熱もあります。喉の痛みは強く出ますが、期間は短めです。鼻水・鼻づまりはよく見られ、倦怠感は軽度〜中等度程度です。
- 味覚・嗅覚障害は基本的にありません。
- 下痢や腹痛は手足口病などで見られ、発疹が出ることもあります。
潜伏期間の違い
- コロナ:1〜5日(平均3日)
- 夏風邪:2〜7日(ウイルスの種類による)
感染経路
- コロナ:飛沫感染、接触感染、エアロゾル感染
- 夏風邪:飛沫感染、接触感染、一部で糞口感染
治療と対応
いずれも特効薬はなく、安静と水分補給が基本です。必要に応じて解熱鎮痛薬を使用します。コロナでは重症化リスクの高い方に抗ウイルス薬を使う場合があります。
受診の目安
- ・高熱が3日以上続く
- ・息苦しさや強い倦怠感がある
- ・高齢者や基礎疾患を持つ方の発熱
当院の発熱外来について
当院では発熱外来を設けており、感染を疑われる方や感染している方と、それ以外の患者さまが接触しない構造になっています。
★予約制ですので、受診をご希望の方はホームページからご予約ください。
★予約がとれない場合は、電話にてご相談くたさい。
お盆休みも開院しておりますので、お気軽にご相談ください。
院長のコロナ診療経験🩺
院長は大学病院勤務時代、新型コロナウイルスがピークを迎えていた大変な時期に、集中治療室(ICU)で多くの重症患者さんの治療にあたってきました。
人工肺(ECMO)を用いた長期管理など
患者さんの命を守る最前線で経験を積んでいます。
この様子は2021年、日本テレビ「NEWS zero」の特集でも紹介され、現場の緊張感と医療従事者の努力が広く伝えられました。
参考:日テレNEWS「“コロナ病棟”ICU 取材ディレクターが見た最前線」
https://news.ntv.co.jp/category/society/817146
現在もその経験を活かし、地域の皆さまに安心して受診していただける医療を提供しています。
🌺-----------参考文献-----------🌺
- ・厚生労働省 感染症発生動向調査 COVID-19 定点報告(2025年8月)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00474.html - ・国立感染症研究所 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)情報
https://www.niid.go.jp/niid/ja/covid-19.html - ・日テレNEWS「“コロナ病棟”ICU 取材ディレクターが見た最前線」
https://news.ntv.co.jp/category/society/817146 - ・国立国際医療研究センター「新型コロナウイルス感染症の診療の手引き」第8.4版