咳が続く原因は部屋干し?柔軟剤?|梅雨〜夏に注意したい呼吸器への影響
こんにちは。調布仙川駅前きむら呼吸器内科クリニックです。
じめじめと蒸し暑い季節がやってきましたね。梅雨から夏にかけては、洗濯物を外に干せず、部屋干しが続くご家庭も多いのではないでしょうか。
「生乾きの匂いが気になるから、柔軟剤を多めに使っている」
「お気に入りの香りで梅雨を乗り切りたい」そんな工夫をしている方も多いと思います。
いい香りや部屋干しの環境が、呼吸器の不調を引き起こす原因になっているかもしれません。
今回は、部屋干しの匂いの正体や、柔軟剤に含まれる香料・化学物質が呼吸器に与える影響について、アレルギーや咳の視点から詳しく解説します。
🫧生乾き臭の原因は“モラクセラ菌”⁉
部屋干しのイヤなニオイ。その原因のひとつが「モラクセラ・オスロエンシス」という細菌です。
この菌は洗濯物に残った皮脂やたんぱく質をエサにして増殖し、独特な「生乾き臭(4M3H)」を放出します。
問題はその臭いだけではありません。
この菌が空気中に舞うことで、気管支や喉を刺激し、咳やアレルギー反応を引き起こすこともあるのです。
🫧匂いをごまかす柔軟剤が、呼吸器を刺激する?
生乾き臭を消すために、柔軟剤や消臭スプレーを使っている方も多いと思います。
しかし、近年の柔軟剤は香料(=化学物質)を多く含み、長時間香りが残るように設計されています。
これらの香り成分は「揮発性有機化合物(VOC)」と呼ばれ
人によっては以下のような症状を引き起こすことがあります
- 喉のイガイガ
- 咳・くしゃみ
- 鼻づまり
- 息苦しさ・頭痛
いわゆる「化学物質過敏症(香害)」の一種で、呼吸器の弱い方、小さなお子さん、高齢の方はとくに注意が必要です。
⭐️咳が続くとき、洗濯環境を見直してみましょう
「風邪じゃないのに咳が続く」
「夜になると鼻がつまる、咳が止まらない」
そんなときは、日常生活に潜むアレルゲンや刺激物に目を向けてみてください。
意外な原因が、部屋干しの洗濯物+香料たっぷりの柔軟剤だった、というケースは少なくありません。
---呼吸器のための部屋干し対策---
- 🧼 洗濯槽を月1回クリーニング
- 🌬 除湿機やサーキュレーターを併用して早く乾かす
- 🧴 柔軟剤は“控えめ”または“無香料”タイプを選ぶ
- 👕 厚手の衣類は乾燥機や外干しに
- 🛏 寝具やカーペットもこまめに洗ってしっかり乾かす
咳やアレルギー症状が長引くとき、思いがけない生活習慣が原因になっていることがあります。
梅雨〜夏の時期は、部屋干しや柔軟剤の使い方を見直すだけで、呼吸器の症状が改善することもあります。気になる症状があれば、早めにご相談ください。
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- ・花王株式会社
- ニオイ解決ナビ
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- ・日本衛生学会
日衛誌 (Jpn. J. Hyg.),73,1–8(2018)