胃腸と呼吸器の意外な関係 — 冬に増える咳・のど症状を解説💡

調布仙川駅前きむら呼吸器内科クリニックです。
🩺 12月11日は「胃腸の日」
12月11日は「い(1)ちょう(11)」の語呂合わせから制定された 胃腸の日 です。
寒さと乾燥が強まる季節となり、消化器・呼吸器ともに症状が増えやすい時期です。
特に冬は、胃腸の不調と咳・のどの違和感が同時にみられる方が多くなります。
胃腸と呼吸器は、一見別の臓器のようですが、実は密接に関連する症状があります。
本日は、その関係性について解説いたします。

① 逆流性食道炎と咳・のどの違和感
胃酸が食道の方へ逆流することで起きる病気です。胸やけだけでなく、
- ・のどがヒリヒリする
- ・のどにつかえる感じ
- ・空咳が続く
- ・朝だけ声がれがある
といった症状の原因になることがあります。
横になったときや、食後に咳が出やすい場合は、胃酸がのどの方まで上がって刺激している可能性があります。
② 咳喘息・気管支喘息と逆流の関連
逆流があると気道が刺激され、咳が止まりにくくなることがあります。
特に、夜〜明け方に咳が悪化する
- ぜんそくの薬を使っているのに咳が残る
という方は、胃酸逆流が症状を長引かせているケースがあります。
- ③ 咽喉頭逆流症
胸やけはほとんどなく、症状が「のど」中心に出るタイプの逆流です。
- ・のどのつかえ感
- ・声がれ
- ・咳払いが増える
- ・のどが常にヒリヒリする
など、風邪やアレルギーとよく似た症状を起こします。治りにくい“のど風邪様の症状”の背景にあることが多いです。
④ 誤嚥や誤嚥性肺炎との関係
高齢の方や嚥下機能が弱っている方では
逆流した胃の内容物が気道に入りやすく、誤嚥性肺炎のリスク が高くなります。
- ・食後の咳
- ・食事中によくむせる
- ・夜間に湿った咳が続く
こうした症状がある場合は、胃の不調も関係していることがあります。
⑤ 後鼻漏との組み合わせ
鼻水がのどに流れ落ちる「後鼻漏」の症状と、逆流によるのどの炎症はよく似ています。
両方が重なって咳やのどの違和感を長引かせるケースもあります。
- ・朝の痰が多い
- ・寝ているときに咳が出やすい
- ・のどが常に不快
といった症状は、胃腸と鼻・のどの両方をチェックが必要です。

🌿 胃腸と呼吸を守るためにできること
- ・夜遅い食事を避ける
- ・脂っこいもの・甘いものを控える
- ・食後すぐに横にならない
- ・寒い季節は胃腸を冷やさない
- ・咳やのどの違和感が続くときは早めの受診
- 🍠食事の工夫🫚
-
👉 消化を助け、粘膜を守る 大根・キャベツ・白身魚・ヨーグルト
👉 のど・気道の炎症を落ち着かせる 蜂蜜・生姜・温かいスープ
👉 免疫機能をサポートする 発酵食品・ビタミンA(かぼちゃ・さつまいも)
当院では、「咳やのどの違和感が長く続く」 といった症状の背景に
- 気管支炎・喘息・咳喘息
- アレルギー性鼻炎・後鼻漏
- 逆流性食道炎などの胃食道逆流
- 誤嚥性肺炎などさまざまな要因が隠れていないかを、呼吸器の専門的な観点から評価します。
必要に応じて
- ・胸部レントゲン
- ・呼吸機能検査
- ・採血検査
- ・近隣の消化器内科への紹介
などと組み合わせて、「胃腸」と「呼吸」の両面から原因を探ることもあります🔍
咳やのどの症状、胸やけなどで気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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インフルエンザ予防接種を実施しています。
中学生以上の方を対象に
1回3,500円(税込)です。
ワクチンの在庫がなくなり次第終了となりますので、ご希望の方はお早めに
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📚-----------参考文献・参考元-----------📚
・日本消化器病学会ガイドライン
逆流性食道炎
https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/gerd.html
https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/gerd_2023.pdf
・日本呼吸器学会
https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q03.html
誤嚥性肺炎
https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/a/a-12.html
