🌿6月20日は「ペパーミントの日」 呼吸器トラブルにもやさしいハーブの力🌿
厳しい暑さが続いておりますが、皆さま体調はお変わりありませんか。
連日の猛暑により、熱中症だけでなく、呼吸器にも負担がかかりやすい季節です。
特に喘息やCOPDなどをお持ちの方は、気温や湿度の変化で症状が悪化することがありますので、こまめな水分補給と室内の温度管理を心がけましょう。
さて本日6月20日は「ペパーミントの日」。
鼻・喉・呼吸にやさしいハーブの力を呼吸器内科が解説🔍
北海道北見市の特産「ハッカ(薄荷)」の魅力を広めるため、1987年に制定された記念日です。
この日をきっかけに、呼吸器内科として注目したいのが、ペパーミントが持つ「香り」と「機能性」の呼吸器への影響です。
鼻がつまる・喉がイガイガする・呼吸がしにくい…
そんなとき、ペパーミントがやさしく助けてくれる理由を医学的に深掘りします。
👃 鼻づまりとペパーミントの関係
「鼻が通る」感覚には理由がある
鼻づまりは、風邪・アレルギー・ウイルス感染・副鼻腔炎などにより、鼻粘膜が炎症を起こし、腫れることで空気の通り道が狭くなる状態です。
ペパーミントに含まれる**メントール(menthol)**には、次のような作用があります:
- TRPM8(冷感受容体)を刺激し、スーッと通る感覚を与える
- 鼻粘膜の血管を収縮させ、一時的に腫れを和らげる
- 鼻腔の神経をクールダウンし、「鼻が通った」と感じやすくなる
📌 実際には鼻腔の構造自体が広がったわけではなく、感覚神経の変化で“通った”と感じるのです。
それでもこの「体感の改善」は、生活の質を大きく向上させます。
👄 喉の痛み・不快感に対する作用
ペパーミントには「抗炎症・粘膜保護・鎮静」の効果があります
喉の違和感は、次のような原因で生じます
- ・ウイルス感染(咽頭炎、扁桃炎など)
- ・粘膜の乾燥(冷暖房・口呼吸・脱水)
- ・声の酷使(声帯炎)
- ・胃酸逆流(逆流性咽喉頭炎)
- ・アレルギー・花粉症
ここに、ペパーミントが持つ作用が役立ちます🌿
- ・抗炎症作用(メントール・フラボノイドが喉の腫れを緩和)
- ・鎮静・麻酔作用(局所的な刺激を抑える働き)
- ・粘膜の潤い保持・唾液分泌促進 → 乾燥対策にも◎
- ・抗菌作用(一部の細菌・ウイルスに対して防御効果)
📌 とくに「喉が乾く・いがらっぽい・声がかすれる」ときは、**ペパーミントティー+ハチミツ(※1歳以上)**が効果的です。
🫁 呼吸のしにくさに対する影響
自律神経を整え、呼吸を
「深く、ゆっくり」に、、、
呼吸のしにくさ(呼吸困難感)は、実際に肺の病気だけでなく、神経系・筋肉・心理的要因でも起こります。
- ・気道の狭窄(喘息・COPD・間質性肺炎)
- ・呼吸筋疲労(早い呼吸・運動)
- ・ストレスや不安による過換気
ここでペパーミントの香りが役立つのは、自律神経に作用して副交感神経(リラックス)を優位にし、呼吸のリズムを落ち着けるからです。
- 深呼吸を誘導する
- 呼吸数を減らす
- 緊張を和らげ、胸や肩の筋肉の力みを軽減
📌 呼吸が浅くなりがちな方には、**香りのディフューザーがおすすめです🫧
🌿 ペパーミント使用時の注意点(AEAJや医学的見解に基づく)
✅ 精油(アロマオイル)は原液で使わない
- ペパーミント精油はとても刺激が強いため、**必ず希釈(1%以下)**して使うことが推奨されます。
- 皮膚塗布の場合はキャリアオイルで薄めることが基本です。
🔹 参考:AEAJ「精油の安全な使い方」
https://www.aromakankyo.or.jp/basics/knowledge/safety/
✅ 乳児・幼児には使用を避ける
- 特に1歳未満の乳児への使用は厳禁です(呼吸抑制や痙攣のリスク)。
- 3歳未満の幼児も、芳香浴以外の使用(塗布・吸入など)は避けるべきとされています。
✅妊娠中・授乳中の使用は控えめに
- ペパーミント精油には子宮収縮を促す可能性があるとされ、妊娠初期は特に注意が必要です。
- 授乳中も、使用する際は香りの強さや赤ちゃんへの影響に注意しましょう。
✅ 皮膚刺激・アレルギーに注意
- メントール成分が強いため、敏感肌やアレルギー体質の方はパッチテスト推奨
- 肌につける用途は短時間・少量から始めるのが安全です。
✅ 高血圧・てんかんの持病がある方
- 一部の専門書では、高血圧やてんかん患者には使用を避けるよう記載があります(※強い刺激成分による中枢神経への影響を懸念)
✅ ペットのいる家庭では注意
- 猫や小型犬にとって、ペパーミント精油は肝臓に有害なことがあります
- 芳香浴の際は換気・使用量・使用時間に十分注意
📌 安全に楽しむためのポイント(AEAJ推奨)
- ・精油は1回15〜30分以内/1日1〜2回まで
- 必ず換気のできる環境で使う
- ・ディフューザーのそばに人や動物がずっといないように調整
🌿ペパーミントは「香りのおしゃれアイテム」ではなく、医学的にも根拠のある呼吸器にやさしい天然のサポーターです。
鼻が通らない、喉がイガイガする、呼吸が浅くて疲れる――
そんなときは、ペパーミントの力を少しだけ借りてみてはいかがでしょうか?
それでも不調が続く場合や、熱・咳・息苦しさが強い場合は、早めの受診をおすすめします。
🩺ご予約・お問い合わせはこちら🫁
- 調布市仙川駅前きむら呼吸器内科クリニック
- ( 内科・呼吸器内科・アレルギー)
- 電話番号:03-3326-1159
-
〒182-0002
東京都調布市仙川町 1-18-3 1階仙川駅徒歩1分
🌿----------参考文献----------🌿
・日本アロマ環境協会(AEAJ)公式情報
- 「精油の機能と作用」ガイド
https://www.aromakankyo.or.jp
・日本アレルギー学会学会誌 - 2001 年 50 巻 9-10 号 p. 930-
- ・日本アレルギー学会
- アレルギーガイドライン